PROJECTⅠ 担当 |
|
---|
PROJECTⅠ 担当 |
|
---|
Project 1は、製造を実現する反応プロセスを開発するプロジェクトです。
担当は、東京大学、太平洋セメント、東京理科大学が行っています。
全体概要でも示したように、せっかく取り出したカルシウム(Ca)を有効に利用するため、空気中の二酸化炭素(CO2)とくっつけて炭酸カルシウムにもどしつつ、その炭酸カルシウムでコンクリートを粉砕したもの(再生骨材)を結合して硬化体をつくります。
天然に生ずる炭酸カルシウムコンクリーションは,炭酸カルシウムの中に砂などの粒子が存在し,硬化体として存在します。人工的にこのようなことができれば,我々がつくろうとしているカルシウムカーボネートコンクリート(CCC)が実現できます。
コンクリート廃材を粉砕することで骨材をつくります。
一方で、このコンクリートの中にはCaがたくさん入っているので、水の中にこの骨材と空気を通すことで、重炭酸カルシウムの溶液をつくります。
この溶液を骨材の間に通し、加熱することで炭酸カルシウムを沈殿させることで、CCCを製造します。
現在、試験体を大きくすること、強度を増大させること、大量につくること、を目的とした製造プロセスの改善を行っています。
PROJECTⅡ 担当 |
|
---|
PROJECTⅡ 担当 |
|
---|
Project 2は、カルシウムカーボネートコンクリート(CCC)を作るための原材料を製造するためのプロジェクトです。担当は北海道大学、増尾リサイクルが行っています。
CCCの原材料には、コンクリート構造物が解体されるときに得られる「コンクリート破砕物」を用います。この破砕物は、日本では一般的に「再生路盤材」と呼ばれ、道路工事において路盤材としてよく用いられています。しかし、再生路盤材にCO2を固定化させることを意識した利用方法はまだ十分になされていません
そこでProject2では、この再生路盤材をCCCの原材料として価値を高めるための技術開発を行っています。Project1の反応プロセスが効果的に進むように、解体されたコンクリート構造物から得られるコンクリート破砕物を粒度調整し、表面に付着しているセメントペーストになるべく多くのCO2を固定化し、炭酸カルシウムに変化させる技術開発が主なミッションです。
Projetct2では、送風、攪拌、温湿度制御など、ありふれた簡単な制御方法を用いて、CO2を大気中から固定化する(Direct Air Capture)を念頭に、CCC原材料の製造方法を開発しています。
現在、コンクリートを破砕、粒度調整、炭酸化を行うことのできるスケーラブルなラボプラントを増尾リサイクル社の敷地内に設置し、ここで実運用の実験を行っています。
また、ラボレベルでの小型装置を用いて炭酸化を加速させる技術開発を行っています。
PROJECTⅢ 担当 |
|
---|
PROJECTⅢ 担当 |
|
---|
Project 3では、カルシウムカーボネートコンクリート(CCC)の社会実装に向けて、従来のコンクリート構造物の場合と比較しながら、
- CCC構造物に適した構造形式、構造設計方法、耐久設計方法、部材製造方法および施工方法の検討
- CCCに最適なサプライチェーンの構築
- CCC構造物のライフサイクル全体でのCO2排出量・固定量の評価を行っている。また、
- CCCの社会実装を実現するために必要となる法律・規格の内容および制定・改正方法の検討を行っている。
1. CCC構造物に適した構造形式、構造設計方法、耐久設計方法、部材製造方法および施工方法
CCCの特徴・性能を踏まえ、プレキャスト化、プレストレスの導入、CFT構造形式の採用などについて検討するとともに、従来の鉄筋コンクリート構造物に対する構造設計方法・耐久設計方法の適用可能性について検討している。
① ブロック
② 軸部材
③ 面部材
2. CCCに最適なサプライチェーンの構築
コンクリート構造物の種別ごとに将来の解体量・新設量を、地域特性を踏まえて予測したうえで、CCC材料の生産施設、およびCCC部材の製造施設の最適な設置位置・規模について検討している。
CCC原材料の製造可能量の推計
建築着工統計 建築物ストック統計 建築物除却統計等の各種統計資料に基づく調査
C4Sに適した中間処理施設• CCC原材料製造工場 ・ CCC製造工場等の配置の検討
3. CCC構造物のライフサイクル全体でのCO2排出量・固定量の評価
従来のコンクリート構造物に関して、コンクリート廃棄物の中間処理施設、およびプレキャスト部材の製造工場でのCO2排出量の調査を行うとともに、CCC材料の生産時、およびCCC部材の製造時におけるCO2排出量の予測を行い、C4Sの優位性を明らかにしようとしている。
4. CCCの社会実装を実現するために必要となる法律・規格の内容および制定・改正方法の検討
現行の建築基準法令に則ったCCC造建築物の実現手順、CCCに対するJISの制定を踏まえた建築基準法令の改正手順・改正内容の検討を行っている。
年 | CCCの開発・普及 | CCC 生産量 | 法律規格の制定・改正 | ||
2023 | 12N/mm²の圧縮強度達成 | 0 千t | |||
2025 | 実験構造物の建設 | 0.1千t | |||
2030 | 2030低層CCC造建築物 | 2千t |
①建築基準法第20条に基づく大 臣認定の取得 | ||
2040 | 毎年1.725倍増 | 345千t | ②日本建築学会規準・標準仕様書の制定 | ||
③建設省告示1446号 (技術的基準)の改正 | |||||
④建築基準法第37条2項に基づく大臣認定の取 | |||||
⑤日本産業規格 (JIS) の制定 | |||||
⑥建設省告示1446号 (技術的基 準)の改正 | |||||
⑦建築基準法第37条1項への適合 | |||||
2050 | コンクリート構造物の50%がCCC造 | 110,000千t |